税理士試験 5科目一発合格を目指す!

 他業界で働きながら5科目合格を目指して受験勉強再開中。平成30年(第68回)の試験で一気に官報合格します。

相続税の申告書の(理論を書く上での)原則と特則 その4 

 

 昨日の続きです。まず、疑問を再度掲載します。

といっても少し問題文(の聞き方)を変えます。

1 何申告書を出す? その根拠法は何?

(1)問題

事例

(前提)相続税法 3条1項2号

 死亡者(被相続人)が生前勤めていた会社から、
相続人に対して支給される死亡退職金は、
相続人が相続により取得した財産であると見なされる。
(つまり、相続税の課税対象となる。)

 その死亡退職金は、
被相続人の死亡後三年以内に支給が確定したもの
であれば課税対象になる。

(疑問)

 死亡退職金が被相続人の死亡後10ヶ月を超えて確定し、
相続人がその支給を受けた場合において、
次のそれぞれのときに

  • 提出すべき申告書は何か。
  • 延滞税は課されるか。
  • その法令根拠は何か。
を述べなさい。

  1. その死亡退職金を受ける前は、申告書を出す必要がなかったが、
    その死亡退職金の支給を受けたことにより
    申告義務時生じることとなったとき
  2. もともと期限内申告書を提出していたとき

(2)解答

  1. 国税通則法の期限後申告書を提出することができる。
    延滞税はかからない。
    (法令根拠)
  2. 国税通則法の修正申告書を提出することができる。
    延滞税はかからない。
    (法令根拠)

※ それぞれ法令根拠の5番目はいらないかもしれません。
 設問の事例は、
そこに限定列挙された要件(内容は相続税法32条1項1号~6号
に当てはまらないから

 国通法の規定により申告書を提出できる
 ということを明確にするために入れたものです。

  ただし、理論問題の解答としては、
 上記太字の理由を明記しないと、
 わかっていないのでただ規定を羅列しただけととられかねません。

2 まとめ

(1)通常の場合(期限内申告書)

  • 人が死んで、相続人が財産をもらうと、もらった人に納税義務が成立する
  • 死亡者の財産の合計額が一定額を超えると期限内申告書を提出しなければならない

(2)課税価格や税額が変わった場合(是正手続き)

〔1〕納税者に落ち度がある場合
  ~ 納税者の都合により次のことがあった場合 ~

国税通則法の「○○申告」または「更正の請求」(の原則)の適用がある

  • 出すべき期限内申告書を出していなかったとき

    期限後申告書を提出できる

  • 申告書は提出していたが、
    1. 計算ミスなどで税額を少なく申告していた

      修正申告書を提出できる。

    2. 計算ミスなどで税額を多く申告していた

      更正の請求をして還付してもらうことができる。

〔2〕納税者に落ち度がない場合
  ~ 他の法律等に従った結果、やむを得ず次のことがあった場合 ~

相続税法の「○○申告」または「更正の請求」の特則の適用がある
 ※ 具体的な要件は、相続税法32条1項限定列挙されている。

  • 新たに期限内申告書を出すべきことになったとき

    期限後申告書を提出できる

  • 期限内申告書は提出していたが、
    1. 計算ミスなどで税額を少なく申告していた

      修正申告書を提出できる。

    2. 計算ミスなどで税額を多く申告していた

      更正の請求をして還付してもらうことができる。

3 理論問題対策

 といっても、特別なことはないと思います。
常に、その処理や手続きは何を根拠にしなければいけないのか?
と自問自答することでしょう。

 正直に申し上げて、私は直前期に入るまで、
相続税の申告や是正手続きの整理が曖昧でした。

ここ数日取り上げたことは頭の中で混乱しており、
国通法の規定はいつ書けばいいのか、
税額が増えたらとにかく(相続税法の)修正申告の理論を書いておけばよし、
なんてていたらくでした。

 ましてや
● 生命保険契約に関する権利
● 納税猶予
● 物納、延納
あたりは、もちろん(威張っていうことではありませんが)
理解が甘く、とりあえず最低限の丸暗記でお茶を濁していました。

 やはり、基礎的な概念や仕組みの理解は
どんなに遅くとも、4月まで
(いわゆる直前期が始まる前)
に完成させておかないと、運を天に任せすぎ、
って状態で試験を向かえることになってしまいます。

 今年は期せずして、受験科目はすべて
途中で投げ出さずに一年を通じて習ったことがある
という状態になりました。

 ブログランキング1位を独走するkaterさんを見習って
できることは前倒しして試験対策をしていきます。

 ブロとものpanchan1さんの記事に触発されて
ここ数日申告関係を掘り下げてきました。
おかげさまで、備忘記録にもなり、
もし間違えたことをいってたら、きっと誰かが指摘してくださるでしょうし、
少しは意味のあるものが残せたかなと思います。

 お二人にはこの場を借りてお礼を申し上げます。
ありがとうございました。
これからも更新を楽しみにしています。私も負けずに。

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記事のカテゴリ: 相続税法

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相続税の申告書の(理論を書く上での)原則 その3 

 

 昨日の続きです。まずは概要をもう一度振り返りましょう。

■1 概要

(1)通常の場合

  • 人が死んで、相続人が財産をもらう
  • もらった人に納税義務が成立する
  • 税額が生じることになると
  • 死亡日から10ヶ月以内に期限内申告書を出さなければいけない

(2)納税者に落ち度がある場合

  • 出すべき申告書を出さなかったとき

    期限後申告書を提出できる

  • 申告書は提出していたが、
    1. 計算ミスなどで税額を少なく申告していた

      修正申告書を提出できる。

    2. 計算ミスなどで税額を多く申告していた

      更正の請求をして還付してもらうことができる。

■2 なぜ相続税法に申告の特則を設ける必要があるのか?

1 そもそも相続税額はどのように計算するのか
 ~遺産が決まれば総額は決まる~

 更正の請求は税務署(課税庁)にとって不利な制度なので
(ということなのだろうと解釈しています。)
原則(国税通則法)の規定では、
納税者に落ち度がないと認められない
ということでした。

 しかし、各種法律(税法に限らず。民法など。)に従っていて、
たまたま申告期限(10ヶ月)を過ぎてから起きたことが影響して
申告済みの税額が少なくなることだってあり得ます。

 相続税の申告書は相続人各自がそれぞれ納税義務を負っています。
(しかも、連帯納付の義務もあります。)

 そして、財産が申告期限までに分割協議が整わなかったとしても、
その時点で法定相続分どおりに分割したものとして
申告しておかなければなりません。

 相続は「争続」ともいわれるくらい、
遺産分割を巡って骨肉の争いが生じて何年たっても
分割協議書にはんこを押さない人がいる、
なんてことは珍しくないそうです。

私も10ヶ月は超えないまでも、それを少しだけ味わったことがあるので、
実感として何となくわかります。

 ということは、
申告期限後に実際に分割協議が確定したときに、
実は申告していただけの財産をもらえなかった、
なんてことも生じうるわけです。

 もちろん、そうなれば、
その者の納付すべき税額は変わります。

 ところで、相続税額の計算方法は、代わった方法を採用しています。

  1. まず、相続税の総額を計算する
     まず死亡者(被相続人)の全財産を集計します。
    そして、実際に誰がいくら相続したかという事実に関係なく、
    法定相続人が法定相続分どおりに財産をもらったものとして
    相続税の総額を計算します。
  2. その後、各自の納付すべき税額を計算する
     その相続税の総額を、今度は実際に財産をもらった人が
    そのもらった額に応じて(ほぼ比例配分して)
    各自の納付すべき税額を計算するのです。

 だから、申告後に隠し財産が出てきたなど、
相続人で山分けする財産自体が変動しない限り、
相続税の総額は変わらないことになります。

 財産の分け方が変わるだけでは、
各自の納付すべき税額が変わるだけで、
総額は一定のままです。

 例えば遺産総額が2億円、
法定相続人が子が2人のみ、
という例で考えます。

 まず、法定相続人2人が、法定相続分どおり
2分の1(1億円)ずつ財産を取得したと考えます。

よって、2人とも相続税額
1億円×30%-700万円=2,300万円

従って、相続税の総額は
2,300万円+2,300万円=4,600万円

となります。
ここまでは、実際にどのように財産を分割したか
という事実に関係なく計算します。

 この相続税の総額を出してから、
実際の財産取得額に応じて(比例配分して)
各自の相続税額を割り振ります。

 上記の例で、遺産分割が難航しているときは、
とりあえず2人とも期限内申告で
総額4,600万円×2分の1=2,300万円 ずつ納税する必要があります。

 その後、分割協議が決着し、
一人が2億円の全財産を取得することになった場合は

取得する ことになった者・・・税額 4,600万円

取得しないことになった者・・・税額   0円

となるわけです。

 この結果、税額が変わりましたから、
(細かいことを考えずに)国通法の考え方に当てはめると、

  • 取得者
    税額増加 2,300万円→4,600万円
    期限内申告書で過少申告だったことになる
    修正申告ができる
  • 取得しなかった者
    税額減少 2,300万円→0円
    期限内申告書で過大申告だったことになる
    更正の請求ができる
ということになります。

 ここで、注目すべきことは、
相続税の総額は4,600万円のままで変わっていない
ということです。

2 課税庁(税務署)の立場

 税務署からすれば、相続人間で税負担が変わったとしても、
ひとつの相続から徴収する税額の合計額は変わらないので、
上記の例だと4,600万円
特に申告書を出し直してもらう必要はない、
ということになります。

 つまり、特別な規定(特則)なんかなくてもよいのです。

3 納税者の立場

 しかし、納税者からみれば、
連帯納付の義務を負わされている税額が変わったのですから、
それを課税庁にきちんと認めてもらわないと困るわけです。

 特に、税額が減る人から見れば、
財産だけ持って行って相続税を納めないなんてヤツがいれば
その税金を払わねばイカン、
ということになるので、更正の請求はしておきたいのです。

 しかし、国通法の更正の請求の要件は、
単に税額が減少する(申告税額が過大だった)だけではだめで、

■ 国通法23条1項1号(更正の請求)(抄)

課税標準等若しくは税額等の 計算が
国税に関する法律の規定に従つていなかつたこと
    又は
当該計算に誤りがあつたことにより

当該申告書の提出により納付すべき税額が過大であるとき。

といっています。

 遺産分割に時間がかかったからといって、
期限内申告書を提出した時点では
「国税に関する法律(相続税法)の規定に従つていなかつた」
わけでもないし、
「計算に誤りがあった」
わけでもありません。

 つまり、要件を満たしていないため、
原則(国通法)の規定では更正の請求はできません。

 だから、特則を設けて、
更正の請求を認める必要があるのです。
と私は 勝手に 解釈、理解しています。

■3 相続税法の更正の請求の特則
 ~ 特別な9つの場合 ~

 というわけで、次のように9つの場合が、
更正の請求ができる要件として認められています。

 上記の例は、未分割遺産に対する課税(相続税法55条)の話ですから、 下記の第一項に規定されています。

 他の話は相続税法の学習が進めば
何のことかわかってくると思いますので、
ここでは触れずにおいておきます。
書き出したらキリないし。ってのが本音。

■ 相続税法32条1項(抄)

(更正の請求の特則)

第三十二条

 相続税又は贈与税について申告書を提出した者 又は決定を受けた者は、
次の各号のいずれかに該当する事由により
当該申告又は決定に係る 課税価格及び相続税額又は贈与税額(…)が過大となつたときは、
当該各号に規定する事由が生じたことを知つた日の翌日から四月以内に限り、
納税地の所轄税務署長に対し、
その課税価格及び相続税額又は贈与税額につき
更正の請求
(国税通則法第二十三条第一項 (更正の請求)の規定による更正の請求をいう。…。)
をすることができる。

一  第五十五条(未分割遺産に対する課税)の規定により分割されていない財産について
  民法(第九百四条の二(寄与分)を除く。) の規定による相続分又は包括遺贈の割合に従つて
  課税価格が計算されていた場合において、
  その後当該財産の分割が行われ、
共同相続人又は包括受遺者が当該分割により取得した財産に係る課税価格が
  当該相続分又は包括遺贈の割合に従つて計算された
課税価格と異なることとなつたこと。

二  …その他の事由により相続人に異動を生じたこと。

三  遺留分による減殺の請求に基づき返還すべき、又は弁償すべき額が確定したこと。

四  遺贈に係る遺言書が発見され、又は遺贈の放棄があつたこと。

五  …条件を付して物納の許可がされた場合(一定の場合に限る。)において、
  当該条件に係る物納に充てた財産の性質その他の事情に関し政令で定めるものが生じたこと。

六  前各号に規定する事由に準ずるものとして政令で定める事由が生じたこと。

七  第四条に規定する事由が生じたこと。
  (特別縁故者に対する相続財産の分与の規定により
  相続財産の全部又は一部を与えられた場合)

八  …(配偶者に対する相続税額の軽減)について

九  贈与税の課税価格計算の基礎に算入した財産のうちに
  第二十一条の二第四項(相続開始年分の贈与)の規定に該当するものがあつたこと。

2  贈与税について…

 このように、相続税法上で(国通法に対する)特則として、
まず規定をおく必要がある更正の請求を認め、
期限後申告や修正申告の特則は、そのおまけ※として
この「更正の請求の特則(相続税法32条)」の要件を引用する形の条文構成になっています。

※ 本当におまけかどうかは知りません。
 あくまでも、私が理解のためにそう(考えてもつじつまが合うと)解釈している
 ということです。

 ただし、「更正の請求の特則(相続税法32条)」の要件を引用するとはいえ、
期限後申告の特則と修正申告の特則の要件は
1号から6号までの6つに絞られています。

■ 相続税法30条、31条(抄)

(期限後申告の特則)

第三十条

 第二十七条第一項(相続税の期限内申告書)の規定による申告書の提出期限後において
第三十二条第一項第一号から第六号までに規定する事由が生じたため
新たに第二十七条第一項に規定する申告書(相続税の期限内申告書)を
提出すべき要件に該当することとなつた者は、
期限後申告書を提出することができる。

2  第二十八条第一項の規定による申告書(贈与税の期限内申告書)の提出期限後において
第三十二条第一項第一号から第六号までに規定する事由が生じたことにより 相続又は遺贈による財産の取得をしないこととなつたため
新たに第二十八条第一項に規定する申告書(贈与税の期限内申告書)を
提出すべき要件に該当することとなつた者は、
期限後申告書を提出することができる。

(修正申告の特則)

第三十一条

 第二十七条若しくは第二十九条の規定による申告書(相続税の期限内申告書)
又はこれらの申告書に係る期限後申告書を提出した者(…)は、
次条第一項第一号から第六号までに規定する事由が生じたため
既に確定した相続税額に不足を生じた場合には、
修正申告書を提出することができる。

■4 新たな疑問

 ところで、こんな事例があった場合に

  • 提出すべき申告書は何でしょうか?
  • それは原則によるものか、それとも特則によるものか、どちらでしょうか?
  • この場合も延滞税の対象になるのでしょうか?

事例

(前提)相続税法 3条1項2号

 死亡者(被相続人)が生前勤めていた会社から、
相続人に対して支給される死亡退職金は、
相続人が相続により取得した財産であると見なされる。
(つまり、相続税の課税対象となる。)

 その死亡退職金は、
被相続人の死亡後三年以内に支給が確定したもの
であれば課税対象になる。

(疑問)

 死亡退職金が被相続人の死亡後10ヶ月を超えて確定し、
相続人がその支給を受けた場合において、
次のそれぞれのときに提出すべき申告書は
どのような取り扱いになるのか?

  1. その死亡退職金を受ける前は、申告書を出す必要がなかったが、
     その死亡退職金の支給を受けたことにより申告義務時生じることとなったとき
  2. もともと期限内申告書を提出していたとき

 期せずして長編大作になってきました。
続きはまた明日にします。

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相続税の申告書の(理論を書く上での)原則 その2 

 

 昨日の続きです。まずは概要をもう一度振り返りましょう。

■1 概要

(1)通常の場合

  • 人が死んで、相続人が財産をもらう
  • もらった人に納税義務が成立する
  • 税額が生じることになると
  • 死亡日から10ヶ月以内に期限内申告書を出さなければいけない

(2)納税者に落ち度がある場合

  • 出すべき申告書を出さなかったとき

    期限後申告書を提出できる

  • 申告書は提出していたが、
    1. 計算ミスなどで税額を少なく申告していた

      修正申告書を提出できる。

    2. 計算ミスなどで税額を多く申告していた

      更正の請求をして還付してもらうことができる。

 では、昨日触れなかった
修正申告書と更正の請求の原則
(国税通則法の規定)を見ていきましょう

■2 国税通則法の修正申告、更正の請求

1 修正申告(国税通則法19条1項)
 ~ 納税者に落ち度がある場合 ~

 期限内申告書や期限後申告書を出した場合でも、
計算間違いなど、
納税者に落ち度があったため税額が不足していたときは
修正申告書を出すことができます。

 出さないと、
税務署にそれ(税額が過少であること)がばれた場合
修正申告書を出したときよりもペナルティが重くなります。

■国税通則法 第19条(抄)

(修正申告)

第十九条

 納税申告書を提出した者(…)は、
次の各号のいずれかに該当する場合には、
その申告について第二十四条(更正)の規定による更正があるまでは、

その申告に係る課税標準等又は税額等を
修正する納税申告書を税務署長に提出することができる。

一  先の納税申告書の提出により
 納付すべきものとしてこれに記載した
税額に不足額があるとき。
二  先の納税申告書に記載した
 純損失等の金額が過大であるとき。 三  先の納税申告書に記載した
 還付金の額に相当する税額が過大であるとき。 四  先の納税申告書に当該申告書の提出により
 納付すべき税額を記載しなかつた場合において、
 その納付すべき税額があるとき。

2  …

3  前二項の規定により提出する納税申告書は、修正申告書という。

2 更正の請求(国通法23条)
 ~ 納税者に落ち度がある場合 ~

 提出した申告書の税額が
納税者の落ち度(や都合)により誤って計算されたことにより
税額が過大であったときは、更正の請求をして還付を受けることができます。

■国税通則法 第23条(抄)

(更正の請求)

第二十三条

 納税申告書を提出した者は、
次の各号のいずれかに該当する場合には、
当該申告書に係る国税の法定申告期限から五年以内に限り、
税務署長に対し、
その申告に係る課税標準等又は
税額等(…)につき
更正をすべき旨の請求をすることができる。

一  当該申告書に記載した課税標準等若しくは税額等の計算が
国税に関する法律の規定に従つていなかつたこと
又は
当該計算に誤りがあつたことにより、
当該申告書の提出により
納付すべき税額が過大であるとき。

二  前号に規定する理由により、
当該申告書に記載した純損失等の金額が過少であるとき、
又は当該申告書に純損失等の金額の記載がなかつたとき。

三  第一号に規定する理由により、
当該申告書に記載した還付金の額に相当する税額が過少であるとき、
又は
当該申告書に還付金の額に相当する税額の記載がなかつたとき。

■3 国税通則法の問題点

 問題点は言い過ぎかもしれません。
いや、守備範囲でないというべきでしょうか。

 原則(国通法を根拠とする)として、一度出した申告書が誤っていても
納税者側の落ち度(や都合)がなければ
更正の請求(還付請求)をすることはできません。
そう条文に書いてあります。

■ 国通法23条1項1号(更正の請求)

課税標準等若しくは税額等の計算が
国税に関する法律の規定に従つていなかつたこと
又は
当該計算に誤りがあつたことにより、
当該申告書の提出により納付すべき税額が過大であるとき。

 つまり、相続税特有の出来事が生じたことにより
課税標準や税額が減ることになっても、
国通法の規定では更正の請求をすることはできないことになります。

 そこで、相続税法の中で、その特有の場合について
規定されています。

 その内容は次回に続きます。

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相続税の申告書の(理論を書く上での)原則 

 

 ここのところ、試験勉強と直接関係ない話題ばかりでした。
こいつは本当に試験を受けるのか?
というご心配をいただくかもしれないので、
(ま、いないでしょうけど。)
たまにはちゃんと勉強してもいるぞ!
ってところもみせたいと思います。

 テーマは相続税の申告についてです。

 実は、本試験の直前まで、理解の甘いところがありまして、
受験相談とかで長蛇の列をなした先生の所に私も並びまして
教えていただいたところです。
(○○先生、その節は誠にありがとうございました。)

■1 概要

 まずは、ざっくり押さえてみましょう。

(1)通常の場合

  • 人が死んで、相続人が財産をもらう
  • もらった人に納税義務が成立する
  • 税額が生じることになると
  • 死亡日から10ヶ月以内に期限内申告書を出さなければいけない

(2)納税者に落ち度がある場合

  • 出すべき申告書を出さなかったとき

    期限後申告書を提出できる

  • 申告書は提出していたが、
    1. 計算ミスなどで税額を少なく申告していた

      修正申告書を提出できる。

    2. 計算ミスなどで税額を多く申告していた

      更正の請求をして還付してもらうことができる。

■2 注意点

 各税法を学んでいると、
あたかもその税目の法律にのみ基づいて申告するように感じてしまいますが、
国税の申告をする場合は、
まず国税通則法(以下、「国通法」と記述します。)の規定が原則となります。

1 納税義務の成立(国税通則法15条2項)

 相続税、贈与税では、「財産取得時」に納税義務が成立します。

■国税通則法 第15条(抄)

(納税義務の成立及びその納付すべき税額の確定)

第十五条
 国税を納付する義務(以下「納税義務」という。)が成立する場合には、…、
国税に関する法律の定める手続により、
その国税についての納付すべき税額が確定されるものとする。

2  納税義務は、
次の各号に掲げる国税(…、附帯税を除く。)については、
当該
各号に定める時(…)に成立する。

四  相続税 相続又は遺贈(贈与者の死亡により効力を生ずる贈与を含む。)による財産の取得の時
五  贈与税 贈与(贈与者の死亡により効力を生ずる贈与を除く。)による財産の取得の時

2 納付すべき税額の確定の方式(国通法16条1項1号)

 相続税、贈与税の条文と併せて読むと、
相続税、贈与税の納付すべき税額の確定方式は
「申告納税方式」であることになります。

■国税通則法 第16条(抄)

(国税についての納付すべき税額の確定の方式)

第十六条

 国税についての納付すべき税額の確定の手続については、
次の各号に掲げるいずれかの方式によるものとし、
これらの方式の内容は、当該各号に掲げるところによる。

一  申告納税方式
 納付すべき税額が納税者のする申告により確定することを原則とし、
その申告がない場合又はその申告に係る税額の計算が
国税に関する法律の規定に従つていなかつた場合
その他当該税額が税務署長又は税関長の調査したところと異なる場合に限り、
税務署長又は税関長の処分により確定する
方式をいう。

3 国税通則法による期限内申告(国通法17条)

 ざっくりいうと、

  • 納税義務が成立し
  • 納付すべき税額がある

場合には、納税申告書を提出しなければなりません。
具体的な要件や法定申告期限は
その国税に関する法律(相続税法など)に規定されています。

 なお、相続税、贈与税の条文に規定されている
法定申告期限までに提出すれば
「期限内申告書」を提出したことになります。

(期限内申告)

第十七条

 申告納税方式による国税の納税者は、
国税に関する法律の定めるところにより、
納税申告書を法定申告期限までに税務署長に提出しなければならない。

2  前項の規定により提出する納税申告書は、期限内申告書という。

4 国税通則法による期限後申告(国通法18条)
 ~ 納税者に落ち度がある場合 ~

 相続税、贈与税の条文に規定されている法定申告期限をすぎて提出すると
「期限後申告書」を提出したことになります。(国通法18条1項、2項)

申告書そのものは期限内申告書と同じですが、
提出時期が異なるだけです。(国通法18条3項)

(期限後申告)

第十八条

 期限内申告書を提出すべきであつた者(…)は、
その提出期限後においても、第二十五条(決定)の規定による決定があるまでは、
納税申告書を税務署長に提出することができる。

2  前項の規定により提出する納税申告書は、期限後申告書という。

3  期限後申告書には、
その申告に係る国税の期限内申告書に記載すべきもの
とされている事項を記載し、
その期限内申告書に添付すべきものとされている書類があるときは
当該書類を添付しなければならない。

なお、期限を過ぎて出せば、もちろんただでは済みません。
そうです、延滞税の対象になります。

(延滞税)

第六十条

 納税者は、次の各号の一に該当するときは、延滞税を納付しなければならない。

  • 一  期限内申告書を提出した場合において、
      当該申告書の提出により納付すべき国税をその法定納期限までに完納しないとき。
  • 二  期限後申告書若しくは修正申告書を提出し、
         又は
       更正若しくは第二十五条(決定)の規定による決定を受けた
    場合において、
     第三十五条第二項(期限後申告等による納付)の規定により納付すべき国税があるとき。

2  延滞税の額は、前項各号に規定する国税の法定納期限(…)の翌日から
 その国税を完納する日まで
の期間の日数に応じ、
 その未納の税額に年十四・六パーセントの割合を乗じて計算した額とする。
 ただし、…。

3  第一項の納税者は、延滞税をその額の計算の基礎となる国税にあわせて納付しなければならない。

4  延滞税は、その額の計算の基礎となる税額の属する税目の国税とする。

 長くなりましたので、明日に続きます。

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事業承継とは ~ ざっくり 

 

 昨日に引き続き、ざっくりと理解したことをお話しします。

 結果的には、言葉から想像できるとおりのことですね。

 事業承継とは、
「会社の大株主が、子供に、株をあげること」

 これだけです。いや~、なんとシンプル!
これで済めばいいんですけどね。

親「さっさと子供に会社を継がせたい。よし、おまえ、会社を継げ!」
子「じゃあ、株ちょうだい。」
親「よし、わかった。あげる。」

~ピンポ-ン~

税「税務署です。おたくで贈与がありましたね。贈与税いただきま~す!」
親「代替わりするだけなのに、そんなお金を払わなきゃいけないなんて。」
子「じゃあ、やめちゃおうか。」

 これじゃあ、親が生前に子供に会社を継がせたくても、
税負担が大きくて株式を移転できません。
何しろ、財産の移転があれば、必ず贈与税の対象になってしまいますから。

 そこで、その代替わりを経営者の意思に基づいて円滑に進めさせるために
事業を続けるなら、贈与税の納付はしなくていいよ、
相続であっても、相続税は安くしてあげるよ、
という制度を作ったのです。
いわゆる「非上場株式等の納税猶予の特例」の規定です。

 ※ 上場会社の代替わりは、一般には親から子へ
  というわけではありませんからね。
   対象は非上場株式なのです。

 この分野は細かい用語がたくさん出てきます。
実質的に同じことを指すのに、
いちいち言葉が変わるのがややこしい。
もちろん、意味があってのことですから、
なれてしまえばむしろわかりやすいんですけどね。

 納税猶予については、
農地等の納税猶予と似たような仕組みです。

● 相続税にも贈与税にも規定がある
● 贈与税では、移転した株式の価額全体が納税猶予の対象になるが、
  相続税では、移転した株式の価額の8割だけが納税猶予の対象になる
  ※ ただし、移転した株式のうち、一定の部分のみが対象になる
● 贈与税は、事業を続けている間は納税を猶予される
● 贈与があった場合は、贈与者が死亡すると相続税の対象に切り替わる
  (贈与税は免除され、税金計算上は相続により株式を移転したものと考える)
● 事業を継続していることを一定の期間ごとに報告しなければならない。
  (当初5年間は毎年、それ以降は3年ごとに)
● 相続人が死亡すると、猶予されていた相続税は免除される

 今のところ、この程度の理解です。
もう少し復習をして、来週の最後の上級演習に備えます。
 

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少しずつわかる ~ 農地等の納税猶予 

 

●はじめて習ったとき(平成24年12月)


 ま、要するに、納税を待ってもらえるんだな

 いったん理論を暗記したとはいえ、
理解していたレベルは、まあ、こんな感じですね。正直なところ。
とても本当にわかっているとはいえない状態です。



●2,3回テキストを読み返した後(平成25年1月)


 農地は贈与しても、とりあえず贈与税を納める必要なし。へんなの。
でも、相続税の対象になるみたい。

●4,5回テキストを読み返した後(平成25年2月)


 農地は贈与されても、贈与税を納める必要なし。
でも、農業をやめたら納めなければいけないのか。

●6~8回くらいテキストを読み返した後(平成25年3月)


 親から子に農地が贈与されても、贈与税を納める必要なし。
でも、農業をやめたら納めなければいけない。

 農業を続けていて、その親が死んだら贈与がなかったことにされる。
とはいえ、実際にはすでにその農地は子のものになっている。

 つまり、税金計算上、
その農地は親から子に相続で移転したものとして考える。

 だから、相続税の対象になる。

●10回以上テキストを読んで、授業も受けた後(平成25年4月)


親から子へ贈与した時点


 親から子に農地が贈与されても、贈与税を納める必要なし。
でも、農業をやめたら納めなければいけない。

 農業を続けている限りは、親が死ぬまでは税金を取られない。
親が死んだときに相続税をかければ十分だ、
ということのようだ。

親が死んだら


 その親が死んだら、
その農地を相続税の課税対象にする。
相続税の対象にするのだから、贈与税はとる必要がなくなる。
よって、税金計算上、贈与がなかったことにされる。

 とはいえ、実際にはすでにその農地は子のものになっている。
その農地は親から子に相続で移転したものとみなすことになる。

課税価格は?


 土地はいろいろな使い道があるから
(自分専用、人に貸す、農業をするなど)
評価額にもそれが反映されている。

 で、宅地は農地を造成してつくるものと考える、
と教わったっけ。つまり、
(宅地)=(農地)+ (造成費)

 ということは、農地として使いつづけるなら、
その土地の通常の評価額は高すぎる。
実際には造成費なんてかかっていないのだから。

 だから、この(いわば)評価割り増し部分についてかかる
相続税額は納めなくていいよ、
ということになっているのか。

 ほんとは土地全体について相続税がかかっているけど、
農業を続ける限りは、割り増し部分については納付しなくてよいから
納付をまってもらえる、つまり、猶予してもらえる
と考えるのね。

・・・

 やっとすこしわかってきたといえるかな、
といった状態です。

 専門家として人に自信を持って説明することができるようになるためには、
もっと勉強が必要です。


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電卓の使い方って結構大事では? 

 

 相続税の計算問題では、
端数処理がいろいろなパターンで出てきますね。
消費税や法人税では電卓の端数処理セレクターを
0とCUTにしっぱなしにして
1の位未満を切り捨て一辺倒で来ましたが、
相続税ではそれではまずい場合があります。

 たとえば、
公社債の100円あたりの評価額を出すときなどは端数処理をしません。
その後額面金額をかけて相続税評価額を出したところで
1円未満を切り捨てるわけですが、

このように2段階に分けて計算をしなければいけないため、
最初から端数処理セレクターを1円未満切り捨て(0とCUT)にしておくと
その100円あたりの評価額を意図せずに
1円未満を切り捨てることになってしまいます。

 当然最終地が狂うことになってしまうので

●途中で「=」キーを押さない
●端数セレクターを「F」にする

などの対策をしていましたが、
それはそれで桁シフトキー(矢印キーや▲キー)を何度も押さなければならなくなったりと
どうやっても帯に短したすきに長し。

 トレーニングを解き直すときに
どのタイミングでセレクターを移動させるかなどの
電卓の使い方まで考えないといかんと思いました。

 今は試行錯誤中で、
宅地では小数第3位未満切り捨て設定にするとか、
公社債では100円あたりの評価額を求めるまでは端数処理なしにして
その後額面金額をかける段階で1円未満切り捨て設定に変えるとか
いろいろと工夫はしていますが、
問題パターンごとに意識して分けるところまでは
気をつけていなく、行き当たりばったりなので、
よい流れを再現できないことがあります。

 その結果、せっかく満点が取れる実力テストで
時間切れと電卓ミスで点を落とすという
とっても残念な受験生になってしまいました。

 来週からテキストも新しくなることですし、
また気持ちをいれかえて、
作戦も入れ替えて取り組み直します。

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ガラガラポン 

 

 きょうはチラ裏です。
相続税の税額控除の規定が
まぜこぜになって混乱をきたしております。

 文字だけで覚えようとしても
ただの丸暗記になっている感じで
整理されたスッキリ感がありません。

 一連の計算体系の図解
(年内完結テキストならローマ数字のⅵ,ⅶページ)
を画像として覚えて、
そこに当てはめていく感じで整理すればよさそうです。

 なんとなく今月中には全て解決しそうな予感。
その前に実力テストがありますが、それにこだわりすぎず、
淡々と理解を深める取り組みを続けていこうと思います。

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容赦なく襲いかかる、住宅取得等資金 

 

 まあ、ちょっと大げさに言ってみましたが、
またまた混乱する規定を習ってしまいました。

 住宅取得等資金の贈与を受けたときの
非課税やら精算課税の控除額のお話です。

 贈与税の話なんですけどね。

 課税庁の本音の部分は、
財産のある人には新規の住宅をじゃんじゃん買ってもらって
景気をよくしてもらおうってことだと思うのですが
想像の話なのでこれはおいておきましょう。

 さて、贈与税の計算は大きく3段階に分かれます。
●第1段階
  1暦年に取得した財産の価額を合計し、非課税金額を控除して、
 贈与税の課税価格を求める
  (暦年贈与と精算贈与の式は同じ)
●第2段階
  特別控除額や基礎控除額を引いて税率をかける
  (暦年贈与と精算贈与で計算式が異なる
●第3段階
  税額控除を適用して納付税額を求める
  (暦年贈与と精算贈与の式は同じ)

 住宅取得等資金の贈与を受けた場合は、
●配偶者が不動産(またはその取得資金)をもらった場合
●子が親から不動産取得資金を現金でもらった場合
に贈与税額の計算上、どこかの段階で何千万円かを控除できます。

 この規定はそれぞれ次のように区分して適用されます。

●1 (住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税)
  20歳以上の子が(祖)父母から住宅を買うための現金を贈与された場合
 (暦年贈与、精算贈与に共通)


  ・第1段階の非課税の規定である。
  ・贈与者である(祖)父母の年齢は不問
  ・受贈者は
    無制限納税義務者に限る
    合計所得金額が2,000万円以下
  ・贈与財産は現金に限る
    (やっぱり、お金を使ってもらうことに意味があるのでしょう)
  ・贈与税の申告期限までにその住宅に住むつもりであればよい
  ・省エネ住宅なら平成25年中の贈与は1,200万円までが非課税
   (第1段階で控除する)

 しつこく強調しているように
この規定は第1段階で適用される規定です。

 よって、暦年贈与の場合は
第2段階で110万円の基礎控除が受けられます。

 贈与者が65歳以上であれば
上記青字部分とあわせて要件を満たすので、
暦年贈与に代えて、精算贈与の適用を受けることができます。
そうすれば、贈与財産が住宅取得等資金であるか否かに関係なく
第2段階でさらに2,500万円の特別控除が受けられます

 言い換えると、贈与者が65歳未満なら
精算贈与の規定を受けることができません。

 しかし、上記赤太字部分にあるように、
住宅取得等資金は贈与者の年齢に関係なく
非課税の規定を設けているのですから
住宅取得等資金に限っては
贈与者が65歳未満であっても精算贈与を適用させてもよいのではないか
という考え方が生じます。

 そこで、贈与者が65歳未満でも
第2段階で2,500万円の特別控除を受けられるよう
精算贈与を適用するという準用規定が置かれました。
それが下記●2です。

●2 (住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例)
  20歳以上の子が父母から住宅を買うための現金を贈与された場合
  (精算贈与に限定)


 よって、この規定は、
贈与者が65歳に満たない場合であっても
住宅取得等資金の贈与の場合に限り
精算課税を選ぶことができるようにするためだけに作られたもの
と解釈できます。

 よって、住宅取得等資金の贈与の非課税の規定から
・受贈者は無制限納税義務者に限る
という要件が付けられ、精算課税の規定から
・受贈者は
  贈与者の直系卑属である推定相続人
  20歳以上
という要件が付けられました。

●3 (贈与税の配偶者控除)
  配偶者が居住用不動産(またはそれを買うための現金)を贈与された場合
  (暦年贈与に限定)


 上記2つの規定は、
家系図の上から下へ財産を流す場合のものです。

配偶者に住宅を贈与する場合は除かれますから、
別途規定が置かれました。
それがこの「贈与税の配偶者控除」の規定です。

 上記の2つの規定はいずれも受贈者が20歳以上でないといけません。
つまり贈与者から見れば少なくとも20年は待たないといけないのです。

 それに合わせたのかどうかはわかりませんが、
この「贈与税の配偶者控除」の規定では、
・配偶者は婚姻期間が20年以上である
ことが要求されています。

 そして、上記2つの規定とは異なり、
・贈与財産は現金だけでなく、居住用不動産でもよい
と財産の範囲が拡げられています。
配偶者の生活保障が考慮されたようです。

 さらに、異なるのは
・相続税の申告期限までに、実際にそこに住まないといけない
ということです。

 上記2つの規定は、申告期限までに住む見込みであればよい、
つまり、住宅が未完成でもよかったのです。

 しかし、この規定はそうではなく、
あくまでも住宅は申告期限までに完成して
実際に住み始めていないといけないのです。


 というようにストーリーを組み立てたらなんとか理解できました。
こんがらがっている方の参考になればうれしいです。

 とはいえ、おおざっぱにとらえたので
細かいところは端折っています。
テキストや理論マスター(サブノート)で詳細はご確認くださいね。

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生前贈与加算と贈与税額控除の関係 

 

 被相続人から財産の(暦年)贈与を受けた場合の話です。

 まず、贈与を受け、その贈与者が3年以内に死亡すると、
その財産は相続税の課税対象になります。
すなわち、その財産の価額を課税価格に算入するのですが、
この規定を生前贈与加算といいます。

 生前に贈与を受けた財産の価額を
相続税の課税価格に加算するので、
生前贈与加算といいます。
よって、贈与という文言がはいっていますが、
相続税の計算の規定です。

 相続税がかかる財産には、
重ねて贈与税がかかることはありませんので、
贈与を受けたときに負担した贈与税額は
相続税額からは控除されます。

 贈与税は相続税の補完税といわれ、
租税回避を防止するために設けられています。
つまり、生前に財産を移転してしまえば、
その財産には相続税がかからないことになってしまうため、
その生前に移転した財産には贈与税をかけることになったのです。

 だから、一つの財産には
相続税か贈与税のいずれか一方しか
かからないように規定されています。

 ただし、贈与税の納期限は
贈与年の翌年3月15日なので、
贈与年に相続があった場合は
その控除すべき贈与税額は計算されません。

贈与年の12月31日を過ぎないと、
贈与税の計算ができないからです。
(だからこそ暦年課税というわけですね。)

 よって、贈与年と死亡年が同じ年であるときは
生前贈与加算の適用はあり、
贈与税額控除の控除額は0となります。

 と、このように規定の流れだけ追うのなら
それほど難しい話ではないのですが、
授業中にやけに強調されました。

 なぜかと考えたところ、
こういうことのようです。

(贈与税の課税価格)
第21条の2(略)

4項 相続又は遺贈により財産を取得した者が相続開始の年において当該相続に係る被相続人から受けた贈与により取得した財産の価額で第十九条の規定(ここでは生前贈与加算の規定)により相続税の課税価格に加算されるものは、前三項の規定にかかわらず、贈与税の課税価格に算入しない

 要するに、死亡年の贈与財産の価額は
贈与税の課税価格に算入しないというのですから、
贈与税の非課税財産であることになります。

 一般に、贈与税がかからないものは
相続税もかかりません。

 よって、贈与税の非課税財産は
相続税がかからないのだから、
生前贈与加算の対象にもならない、
と勘違いしてしまうようです。

 おそらく、いろいろな規定を学んでいくと、
私が宅地の評価方法がぐちゃぐちゃになったのと
同じように混乱してくるのでしょう。

 しばらく集中的に取り組んで、
理解を固めてしまおうと思います。

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