税理士試験 5科目一発合格を目指す!

 某会計事務所で働きながら5科目合格を目指して受験勉強中。平成26年(第64回)の試験で一気に5科目をGet予定。(予定は未定)

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相続税の申告書の(理論を書く上での)原則 その3 

 

 昨日の続きです。まずは概要をもう一度振り返りましょう。

■1 概要

(1)通常の場合

  • 人が死んで、相続人が財産をもらう
  • もらった人に納税義務が成立する
  • 税額が生じることになると
  • 死亡日から10ヶ月以内に期限内申告書を出さなければいけない

(2)納税者に落ち度がある場合

  • 出すべき申告書を出さなかったとき

    期限後申告書を提出できる

  • 申告書は提出していたが、
    1. 計算ミスなどで税額を少なく申告していた

      修正申告書を提出できる。

    2. 計算ミスなどで税額を多く申告していた

      更正の請求をして還付してもらうことができる。

■2 なぜ相続税法に申告の特則を設ける必要があるのか?

1 そもそも相続税額はどのように計算するのか
 ~遺産が決まれば総額は決まる~

 更正の請求は税務署(課税庁)にとって不利な制度なので
(ということなのだろうと解釈しています。)
原則(国税通則法)の規定では、
納税者に落ち度がないと認められない
ということでした。

 しかし、各種法律(税法に限らず。民法など。)に従っていて、
たまたま申告期限(10ヶ月)を過ぎてから起きたことが影響して
申告済みの税額が少なくなることだってあり得ます。

 相続税の申告書は相続人各自がそれぞれ納税義務を負っています。
(しかも、連帯納付の義務もあります。)

 そして、財産が申告期限までに分割協議が整わなかったとしても、
その時点で法定相続分どおりに分割したものとして
申告しておかなければなりません。

 相続は「争続」ともいわれるくらい、
遺産分割を巡って骨肉の争いが生じて何年たっても
分割協議書にはんこを押さない人がいる、
なんてことは珍しくないそうです。

私も10ヶ月は超えないまでも、それを少しだけ味わったことがあるので、
実感として何となくわかります。

 ということは、
申告期限後に実際に分割協議が確定したときに、
実は申告していただけの財産をもらえなかった、
なんてことも生じうるわけです。

 もちろん、そうなれば、
その者の納付すべき税額は変わります。

 ところで、相続税額の計算方法は、代わった方法を採用しています。

  1. まず、相続税の総額を計算する
     まず死亡者(被相続人)の全財産を集計します。
    そして、実際に誰がいくら相続したかという事実に関係なく、
    法定相続人が法定相続分どおりに財産をもらったものとして
    相続税の総額を計算します。
  2. その後、各自の納付すべき税額を計算する
     その相続税の総額を、今度は実際に財産をもらった人が
    そのもらった額に応じて(ほぼ比例配分して)
    各自の納付すべき税額を計算するのです。

 だから、申告後に隠し財産が出てきたなど、
相続人で山分けする財産自体が変動しない限り、
相続税の総額は変わらないことになります。

 財産の分け方が変わるだけでは、
各自の納付すべき税額が変わるだけで、
総額は一定のままです。

 例えば遺産総額が2億円、
法定相続人が子が2人のみ、
という例で考えます。

 まず、法定相続人2人が、法定相続分どおり
2分の1(1億円)ずつ財産を取得したと考えます。

よって、2人とも相続税額
1億円×30%-700万円=2,300万円

従って、相続税の総額は
2,300万円+2,300万円=4,600万円

となります。
ここまでは、実際にどのように財産を分割したか
という事実に関係なく計算します。

 この相続税の総額を出してから、
実際の財産取得額に応じて(比例配分して)
各自の相続税額を割り振ります。

 上記の例で、遺産分割が難航しているときは、
とりあえず2人とも期限内申告で
総額4,600万円×2分の1=2,300万円 ずつ納税する必要があります。

 その後、分割協議が決着し、
一人が2億円の全財産を取得することになった場合は

取得する ことになった者・・・税額 4,600万円

取得しないことになった者・・・税額   0円

となるわけです。

 この結果、税額が変わりましたから、
(細かいことを考えずに)国通法の考え方に当てはめると、

  • 取得者
    税額増加 2,300万円→4,600万円
    期限内申告書で過少申告だったことになる
    修正申告ができる
  • 取得しなかった者
    税額減少 2,300万円→0円
    期限内申告書で過大申告だったことになる
    更正の請求ができる
ということになります。

 ここで、注目すべきことは、
相続税の総額は4,600万円のままで変わっていない
ということです。

2 課税庁(税務署)の立場

 税務署からすれば、相続人間で税負担が変わったとしても、
ひとつの相続から徴収する税額の合計額は変わらないので、
上記の例だと4,600万円
特に申告書を出し直してもらう必要はない、
ということになります。

 つまり、特別な規定(特則)なんかなくてもよいのです。

3 納税者の立場

 しかし、納税者からみれば、
連帯納付の義務を負わされている税額が変わったのですから、
それを課税庁にきちんと認めてもらわないと困るわけです。

 特に、税額が減る人から見れば、
財産だけ持って行って相続税を納めないなんてヤツがいれば
その税金を払わねばイカン、
ということになるので、更正の請求はしておきたいのです。

 しかし、国通法の更正の請求の要件は、
単に税額が減少する(申告税額が過大だった)だけではだめで、

■ 国通法23条1項1号(更正の請求)(抄)

課税標準等若しくは税額等の 計算が
国税に関する法律の規定に従つていなかつたこと
    又は
当該計算に誤りがあつたことにより

当該申告書の提出により納付すべき税額が過大であるとき。

といっています。

 遺産分割に時間がかかったからといって、
期限内申告書を提出した時点では
「国税に関する法律(相続税法)の規定に従つていなかつた」
わけでもないし、
「計算に誤りがあった」
わけでもありません。

 つまり、要件を満たしていないため、
原則(国通法)の規定では更正の請求はできません。

 だから、特則を設けて、
更正の請求を認める必要があるのです。
と私は 勝手に 解釈、理解しています。

■3 相続税法の更正の請求の特則
 ~ 特別な9つの場合 ~

 というわけで、次のように9つの場合が、
更正の請求ができる要件として認められています。

 上記の例は、未分割遺産に対する課税(相続税法55条)の話ですから、 下記の第一項に規定されています。

 他の話は相続税法の学習が進めば
何のことかわかってくると思いますので、
ここでは触れずにおいておきます。
書き出したらキリないし。ってのが本音。

■ 相続税法32条1項(抄)

(更正の請求の特則)

第三十二条

 相続税又は贈与税について申告書を提出した者 又は決定を受けた者は、
次の各号のいずれかに該当する事由により
当該申告又は決定に係る 課税価格及び相続税額又は贈与税額(…)が過大となつたときは、
当該各号に規定する事由が生じたことを知つた日の翌日から四月以内に限り、
納税地の所轄税務署長に対し、
その課税価格及び相続税額又は贈与税額につき
更正の請求
(国税通則法第二十三条第一項 (更正の請求)の規定による更正の請求をいう。…。)
をすることができる。

一  第五十五条(未分割遺産に対する課税)の規定により分割されていない財産について
  民法(第九百四条の二(寄与分)を除く。) の規定による相続分又は包括遺贈の割合に従つて
  課税価格が計算されていた場合において、
  その後当該財産の分割が行われ、
共同相続人又は包括受遺者が当該分割により取得した財産に係る課税価格が
  当該相続分又は包括遺贈の割合に従つて計算された
課税価格と異なることとなつたこと。

二  …その他の事由により相続人に異動を生じたこと。

三  遺留分による減殺の請求に基づき返還すべき、又は弁償すべき額が確定したこと。

四  遺贈に係る遺言書が発見され、又は遺贈の放棄があつたこと。

五  …条件を付して物納の許可がされた場合(一定の場合に限る。)において、
  当該条件に係る物納に充てた財産の性質その他の事情に関し政令で定めるものが生じたこと。

六  前各号に規定する事由に準ずるものとして政令で定める事由が生じたこと。

七  第四条に規定する事由が生じたこと。
  (特別縁故者に対する相続財産の分与の規定により
  相続財産の全部又は一部を与えられた場合)

八  …(配偶者に対する相続税額の軽減)について

九  贈与税の課税価格計算の基礎に算入した財産のうちに
  第二十一条の二第四項(相続開始年分の贈与)の規定に該当するものがあつたこと。

2  贈与税について…

 このように、相続税法上で(国通法に対する)特則として、
まず規定をおく必要がある更正の請求を認め、
期限後申告や修正申告の特則は、そのおまけ※として
この「更正の請求の特則(相続税法32条)」の要件を引用する形の条文構成になっています。

※ 本当におまけかどうかは知りません。
 あくまでも、私が理解のためにそう(考えてもつじつまが合うと)解釈している
 ということです。

 ただし、「更正の請求の特則(相続税法32条)」の要件を引用するとはいえ、
期限後申告の特則と修正申告の特則の要件は
1号から6号までの6つに絞られています。

■ 相続税法30条、31条(抄)

(期限後申告の特則)

第三十条

 第二十七条第一項(相続税の期限内申告書)の規定による申告書の提出期限後において
第三十二条第一項第一号から第六号までに規定する事由が生じたため
新たに第二十七条第一項に規定する申告書(相続税の期限内申告書)を
提出すべき要件に該当することとなつた者は、
期限後申告書を提出することができる。

2  第二十八条第一項の規定による申告書(贈与税の期限内申告書)の提出期限後において
第三十二条第一項第一号から第六号までに規定する事由が生じたことにより 相続又は遺贈による財産の取得をしないこととなつたため
新たに第二十八条第一項に規定する申告書(贈与税の期限内申告書)を
提出すべき要件に該当することとなつた者は、
期限後申告書を提出することができる。

(修正申告の特則)

第三十一条

 第二十七条若しくは第二十九条の規定による申告書(相続税の期限内申告書)
又はこれらの申告書に係る期限後申告書を提出した者(…)は、
次条第一項第一号から第六号までに規定する事由が生じたため
既に確定した相続税額に不足を生じた場合には、
修正申告書を提出することができる。

■4 新たな疑問

 ところで、こんな事例があった場合に

  • 提出すべき申告書は何でしょうか?
  • それは原則によるものか、それとも特則によるものか、どちらでしょうか?
  • この場合も延滞税の対象になるのでしょうか?

事例

(前提)相続税法 3条1項2号

 死亡者(被相続人)が生前勤めていた会社から、
相続人に対して支給される死亡退職金は、
相続人が相続により取得した財産であると見なされる。
(つまり、相続税の課税対象となる。)

 その死亡退職金は、
被相続人の死亡後三年以内に支給が確定したもの
であれば課税対象になる。

(疑問)

 死亡退職金が被相続人の死亡後10ヶ月を超えて確定し、
相続人がその支給を受けた場合において、
次のそれぞれのときに提出すべき申告書は
どのような取り扱いになるのか?

  1. その死亡退職金を受ける前は、申告書を出す必要がなかったが、
     その死亡退職金の支給を受けたことにより申告義務時生じることとなったとき
  2. もともと期限内申告書を提出していたとき

 期せずして長編大作になってきました。
続きはまた明日にします。

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