税理士試験 5科目一発合格を目指す!

 他業界で働きながら5科目合格を目指して受験勉強再開中。平成30年(第68回)の試験で一気に官報合格します。

相続人と法定相続人 

 

 相続税法の勉強で学んだことを
備忘記録します。
(前日の記事と同様に、引用部分以外はあくまでも私の解釈です。
誤りを正してくださる方は大歓迎です。)
  • 民法は揉め事を決着させるための印籠のような規定
  • 相続税法は、税金を取るための規定

財産の分け方は当事者の自由でよい!


 財産はどのように分けようともその人達の自由なんですね。
  • 民法なんてシラネ
  • 俺のモノは俺のモノ
  • あんたのモノも俺のモノ
でもオッケー

 ただし、揉め事が起こったときは
その解決策(最終的な落としどころ)を民法が決めてくれているにすぎない
ということのようです。

 関係者みんなが納得しさえすれば
  • 長男一人で全財産相続しようが
  • 配偶者だけで独り占めしようが
  • 愛人が全部がめてしまおうが
なんでもありだそうで。

 とはいえ現実問題として、
そんなあまりにも個性的場面は
相続税法の試験では出題されないでしょうから
試験問題を解くという前提の元では
結果として民法の規定に粛々と従って処理をするということです。

相続税は税金を各家族から公平に取る


 税法の立場は相続税法に限らず、
課税の公平を図るという考え方が根底にあります。

 AさんとBさんが同じような状況におかれたら、
それぞれの税負担も同じようにならなければ
税法的には不公平だととらえます。
小技を使った方だけ大幅に税金が安くなる行為は
単なる租税回避として待ったをかけてくるんですね。

 家族構成が同じで、遺産が同額であるにもかかわらず、
誰か一人が相続を放棄するかしないかだけで
  • Aさん一家は相続税ゼロ
  • Bさん一家は相続税がかかる
ってのは税務署は許さんよ! ということです。

 ちなみに、(課税の)公平の原則は租税原則の一部であり、
租税原則は税制の準拠すべき一般的な基準を追求したものだそうです。
(税大講本・税法入門からの引用)
これについて問うような試験問題は
一税法について問うに過ぎない税理士試験においては考えられないため、
上記のような幼稚な表現による雑な理解でとどめました。


相続税法における相続人


  • (民法上の)相続人(法3条1項)
      (相続を放棄した者及び相続権を失つた者を含まない。)
    • 配偶者相続人(民890)
    • 血族相続人(民887,889)
      1. 子(何代でも代襲あり)
      2. 直系尊属
      3. 兄弟姉妹(一代限りで代襲あり)
  • 法定相続人(法15条3項2号)
      (相続の放棄があつた場合には、その放棄がなかつたものとした場合における相続人)



 相続税法でいう相続人は、基本的には民法上の相続人と同じです。
ただし、租税回避を防止するためなどの目的で
相続税法上独自の概念である「法定相続人」(法15条3項2号)を規定しています。

これは相続の放棄がなかったものとした場合における相続人のことをいいますが、
放棄があると血族相続人の順位が変わる可能性があるため、
民法上の相続人と(相続税法上の)法定相続人が異なる場合があるので要注意。

 さて、民法上の相続人とは、
民法第五編第二章(http://bit.ly/RvuTZF)の規定による相続人であり、
配偶者相続人と血族相続人を指します。

ただし、このうち、次の4つのいずれかに該当する人は相続人から除かれます。
  • 相続開始以前に死亡している
  • 欠格事由に該当している
  • 廃除されている
  • 放棄している

 実はそれぞれの場合ごとに
民法上での言い回しは微妙に異なりますが、結果として
  • 相続人から除外される
  • 相続開始時点から相続人ではないものとする
という取り扱いの結論は同じです。

 その違いが気になる人だけ
以下にお進みください。
 


(相続開始の原因)
第882条 相続は、死亡によって開始する。
(相続開始の場所)
第883条相続は、被相続人の住所において開始する。


 相続は、人の死亡によってその瞬間にその住所において開始する、
ということです。

 住所は、通達で生活の本拠となる場所という説明がされています。
たまたま海外旅行中に死亡したとしても、
相続は住所地で開始することになります。


(相続の一般的効力)
第896条 相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。
(共同相続の効力)
第898条 相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。
第899条 各共同相続人は、その相続分に応じて被相続人の権利義務を承継する。


 被相続人が死亡した瞬間に、
その相続人全員ですべての権利義務を引き継ぐということですね。
相続人全員で共有することになります。

相続開始以前に死亡していると相続人になれない


 なお、明文規定はありませんが、
相続人は相続開始時点で生きている人に限ります。
(当たり前すぎることは法律では明文規定をおかないのが原則ですから。)

 では、生きている人の中で、
相続人になれない人について見ていきましょう。


相続人の欠格事由に該当している


(相続人の欠格事由)
第八百九十一条  次に掲げる者は、相続人となることができない。
一  故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者
二  被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。
三  詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者
四  詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者
五  相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者


 「相続人となることができない」と明記されていますので
議論の余地なしです。問答無用で相続人からは除外されます。


推定相続人から廃除されている


(推定相続人の廃除)
第892条  遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。)が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。

(遺言による推定相続人の廃除)
第893条  被相続人が遺言で推定相続人を廃除する意思を表示したときは、遺言執行者は、その遺言が効力を生じた後、遅滞なく、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求しなければならない。この場合において、その推定相続人の廃除は、被相続人の死亡の時にさかのぼってその効力を生ずる。


 ポイントは、893条の
「その推定相続人の廃除は、被相続人の死亡の時にさかのぼってその効力を生ずる」
という記述です。これにより、相続人となることができないことになります。


放棄すると当初から相続人とならない


(相続の放棄の効力)
第939条 相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。


 みなし規定なので、覆しようがありません。
「初めから相続人とならなかったものとみなす」
と書いてありますので、相続人はなりません。

 以上から、相続人から除かれる人は次の4種類になるというわけです。


  • 相続開始以前に死亡している
  • 欠格事由に該当している
  • 廃除されている
  • 放棄している


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