税理士試験 5科目一発合格を目指す!

 他業界で働きながら5科目合格を目指して受験勉強再開中。平成30年(第68回)の試験で一気に官報合格します。

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静態論とは何か。 報告対象は誰か? 

 

 ようやくわかってきました。財表用語の使い分け。
気づいてみればどの本からも学べるものなのに、
心が拒否していたためか、
(別にどーだっていいジャン、
なんて斜に構えながら読んでいると)
読んでいてもなにもはいってこないかったのです。

 用語そのものはさすがに相当数知っていましたよ。もちろん。
でもそれを使いこなして答案を書けるのかと問われれば
過去の受験結果が示すとおり。
見たことはあるけどわかっちゃいない、
ああ、誠に残念な受験生だった、いうことです。

 用語はただ用語として知っていればいいだけではなく、
どの場面で何を指しているのかということと結びつけて
理解する(覚える)必要があります。

 その会計用語は、
何を前提にしているのか、
どのレベルの話をしているのか、
どの場面の話をしているのか、
によって、正確に使い分けることが必要なんですね。

 静態論と動態論の区別の話をしているときに、
財産法と損益法なんて言葉を出しても意味がないわけです。
使える場面ではないのですから。

 例えば、
「静態論のもとで作成された貸借対照表における利益額は
財産法により計算される。
このように利益額を算定する考え方を資産負債アプローチという。」
 (※注意 もちろん全くのウソですよ。)

なんていう、箸にも棒にもかからない
どうしようもないことを答案に書いているようでは
何百年受験しても絶対に合格することはないのです。

 恥ずかしながら、
そんな区別が付けられないレベルで試験を受けていたのです。

「わけのわからん伝統論は無視し、
現代の会計基準の規定だけ覚えれば
試験対策としては十分だろう
(いや、それしかやりたくない)」
なんて考えていた昨年までは、
先ほどのようなレベルの文章を平気で書いていたことと思います。
それじゃあ、いくら量を書いても時間とインクの無駄ってもんです。

 というわけで、以前も書きましたように
今年からは真摯な態度で取り組み直しておりますが、
いよいよ、財表の伝統論についても学んだことを
順を追って整理していきます。
(もちろん今回だけでは終わりません。)

 (注意 あくまでも私の解釈です。誤りのご指摘など
    ご意見を大いに歓迎します。

会計の目的 報告相手は誰か



 人間の活動には何をおいてもお金が必要です。
(ホントはやる気、情熱とかかもしれませんが、
話が壮大になりすぎると収拾が付かなくなるので
会計につながる話に強引に限定します。)

だからどこかから調達する(貯めるなり借りるなりする)必要があります。

 さて、お金を出す側の最大の興味は、なんといっても
「ちゃんとお金は戻ってくるのか?」
ってことです。
「今どうなっているのか。いずれどうなるのか。
ちゃんと説明してくれ。」
と考えるわけですね。

 だから、お金を出してもらった側は
それを説明(報告)する必要があるのです。

 その報告すべき時期や内容、形式は
あらかじめ決まっていた方がお互いにとって都合がいいですよね。

 ビジネスの現場では、送り状一つ作るのでも
新人のうちは文例集をひもといて作ったりするものです。
何をどう書けばいいのかわかりませんから。

 ましてや大事なお金に関する報告書です。
特に決まりがなければ、
作る側は何をどう書いていいのかわからないし、
読む側も、適当な形で提示されても
どこからどう読んでいいのかわかりません。

 だから、報告書も事前に形式が決まっていた方が
作る側も読む側も便利なんですよね。

 そこで、一定の決まりに基づいて、
財産の状態を表示する貸借対照表
(資産と負債の一覧表)
が作られるようになったのです。

報告書それぞれを財務表といい、
それを複数まとめた総称が財務諸表です。

 ちなみに、会計とは、
人間の活動を貨幣額で記録し、
しかるべき人に報告する一連の仕組みです。

 例えば、製造業でいえば、
材料を仕入、製品を作って販売したことを帳簿に記録し、
報告用の書類(財務諸表)を作成して出資者に報告する一連の仕組み
のことをいいます。

 つまり、会計の目的は
報告される側が欲しい情報をつくりだすことにあることになります。

 では、報告される側とは誰のことか?

 今では、企業は永遠に続くものであることを前提とし、
株主、債権者など様々な外部利害関係者がいますが、
かつて(大昔)は、継続企業の前提がない時代がありました。

 事業は小規模で行われるか、
大航海時代の貿易のように大規模に行うものでも
目的を達成したら解散することが当たり前だった頃は、

「その事業をいますぐやめて財産を山分けしたらいくらになるか?」

ということが、出資者(債権者)の最大の関心事です。
企業家が何をやっているかよりも、
起業家は私が貸したお金を返してくれるのかということに興味があるのです。

この金額が大きければ安心できますが、
少ないかマイナスなら危機感を感じてしまいます。

 だから、この時代のように、
「継続企業を前提としない場合の」会計の目的は
「債権者を保護するための財産計算をもとに債務弁済能力を表示する」
ことになります。出資者が債権者ですから。

 今解散したら企業の手元にいくら残るのかさえわかればよく、
他のことは二の次だというわけです。

 ならば、資産と負債の一覧表だけで十分ですよね。そして、
その資産は、いま処分したらいくらになるのか?
その負債は、いま全額返済するならいくら支払うべきなのか?
という金額で書かれていなければ無意味です。

 そこに載る数字は換金価値のみが意味を持つのです。
どうしてそうなってしまったかという過程よりも、 (←損益計算に相当)
今現在いくら残っていることになるのかが重要な問題のです。

この場合、(現代の会計では必須である)損益計算なんてものは
どうでもいい存在に過ぎないことになります。
結果として継続的な記帳も必要ないわけです。
今現在あるものだけ数え上げ、評価すればいいのですから。

 これが、かつて行われていた(継続企業の前提がない時代の)
会計の思考体系です。

 このように、
継続企業の前提がない場合の会計思考を静態論といい、
継続企業の前提がある場合の会計思考を動態論といいます。

 継続企業の前提がない時代を昔、
ある時代を現代というならば、
昔の会計思考は静態論、現代の会計思考は動態論です。

 そして、現在の会計は三公準の一つにもあるとおり
継続企業の前提をもとに行われています。

 したがって、特に問題文で静態論の話を取り上げていない限り、
試験問題では現代の会計について聞いていることになりますから、
静態論に関する話はいっさいふれなくてよいのです。

 では、結論をまとめます。


静態論

継続企業の前提がないことが前提である。

会計の目的を、債権者保護の立場からの財産計算に求める会計思考をいう。

貸借対照表は債務弁済能力の表示を役割とする

貸借対照表に載せるべき資産は
譲渡性や換金性がある財産のみ

貸借対照表に載せるべき負債は
債権者に弁済すべきもののみ

(結果として)継続的な記帳は必要ない


 静態論のお話しは以上です。
動態論のお話しは、次の機会にまわします。
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